舌下ひだ(舌小帯)と歯並び・矯正治療について
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- 院長コラム

こんにちは。
こどもGROWオーラルセラピークリニック院長の細川史磨子です。
今日は、普段なかなか意識することのない「舌下ヒダ(舌小帯)」についてお話ししたいと思います。
舌下ヒダとは、舌の裏側にある粘膜のひだのことで、舌を持ち上げたときに中央にピンと張って見える部分です。一般的には「舌小帯(ぜつしょうたい)」とも呼ばれます。
この舌下ヒダは単なる粘膜のひだではなく、舌の動きや発音、嚥下(飲み込み)、さらに顎の発育や歯並びにまで影響する重要な部分です。最近では「舌下ヒダが短い子どもは歯並びや咬み合わせに問題が出やすい」という研究も増えてきており、小児矯正の分野でも注目されています
舌下ヒダが果たす役割
舌下ヒダには大きく分けて次のような役割があります。
1.顎の発育への影響 舌は本来、上顎の天井(口蓋)にピタッと収まるのが正しい位置です。舌が上に収まることで上顎は横方向に広がり、将来の永久歯のスペースが確保されます。しかし舌下ヒダが短いと舌が下に引っ張られ、結果として上顎が狭くなり、歯並びがガタガタになったり、口呼吸につながったりすることがあります。
2.舌の可動域の調整 舌下ヒダが適度な長さであれば、舌は上顎にしっかりと接触でき、正しい嚥下(飲み込み)が可能になります。
3.発音への影響 「ラ行」や「タ行」など、舌先を上に持ち上げる発音では舌の可動域が重要です。舌下ヒダが短すぎると、発音が不明瞭になる場合があります。
舌下ヒダと矯正治療の関係
小児矯正を考える上で、舌下ヒダのチェックは非常に重要です。
例えば、乳歯の時期から「舌が上に上がらない」「いつも舌が下に落ちている」というお子さんは、上顎の横幅が狭くなりやすく、そのまま成長すると永久歯の萌出スペースが不足します。結果として、八重歯や反対咬合、開咬(前歯がかみ合わない状態)につながることもあります。
また、舌下ヒダが短いと「嚥下のクセ」が出やすく、飲み込むときに舌を前に押し出す動き(舌突出癖)が残ってしまうこともあります。これは矯正治療で歯並びをきれいに整えても、後戻りの原因になりやすい要素のひとつです。
矯正治療では「歯を動かす」ことだけでなく、「舌や口周りの筋肉の機能を整える」ことがとても大切です。舌下ヒダのチェックと必要に応じたトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)は、矯正治療の成功率を高め、長期的な安定を得るために欠かせません。
舌下ヒダが短いとどんな症状がある?
舌下ヒダが短いと、次のような症状が見られることがあります。
- 舌を前に出すとハート型にくびれる
- 舌を上に持ち上げられず、上顎につかない
- 授乳がうまくできない(赤ちゃんの場合)
- 「ラ行」が言いにくい
- 飲み込みのときに舌が前に出る
- 常に口が開いていて、口呼吸になりやすい
- 歯並びがガタガタ、出っ歯、開咬などの不正咬合
これらはすべて、舌下ヒダの短さが影響している可能性があります。
舌下ヒダのチェック方法
お子さんの舌下ヒダが気になる方は、ぜひ一度以下を試してみてください。
- 舌を上に持ち上げて、上の前歯の裏(切歯乳頭)につけられるか
- 舌を前に出して、下唇の外まで出せるか
- 舌を動かすと舌の先がハート型にくびれないか
これらがスムーズにできない場合、舌下ヒダの短縮が疑われます。
治療法とサポート
舌下ヒダが短い場合、すぐに手術(舌小帯切除)が必要になるわけではありません。
年齢や舌の使い方によっては、MFT(口腔筋機能療法)によって舌の動きが改善するケースも多くあります。特に小児矯正を始める前に、舌のトレーニングをしっかり行うことで、装置治療がスムーズに進み、後戻りも防ぎやすくなります。
一方で、哺乳障害が強い赤ちゃんや、どうしても舌が上がらない子どもの場合には、適切なタイミングで舌小帯の処置を検討することもあります。処置を行った後も、必ずMFTで舌を正しく使うトレーニングが必要です。
まとめ
舌下ヒダは目立たない存在ですが、発音、嚥下、呼吸、そして顎の発育や歯並びにまで影響する大切な要素です。
矯正治療を成功させるためには、歯や顎の形態だけでなく、舌の機能も一緒に整えることが必要不可欠です。
「舌下ヒダが短いのでは?」と心配される保護者の方は、ぜひ一度専門的なチェックを受けてみてください。こどもGROWオーラルセラピークリニックでは、歯並びや矯正相談だけでなく、舌やお口周りの筋肉の発達も含めた総合的なサポートを行っています。
お子さんのお口の成長に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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